俺の中学校がテロリストに占拠されたのはどう考えてもテロリストが悪い!15

起 中学校が占拠された。

いつもの朝、いつもの学校…今日もそうなると思っていた。枕元に置いた携帯電話が鳴る。そろそろスマートフォンが欲しいな。まぁ親に携帯代を払ってもらっている身分だから大きなことは言えないけど、二つ折りェ…って感じだ。そのうち、スマートフォンが主流になったら、このガラパゴス携帯?は世の中から消えるのだろうか。そう思うと、少し愛しく思える…ということは、なかった。階下から母親の声がする。もう、「ちゃん」付けはやめて欲しいのだが、言うと怒る。「朝ご飯は?」「いい」「ジュースだけでも飲んで行きなさい」なんでもない朝の会話。「じゃあせめて、ホラ。」。既にコップに注いであった牛乳をグイっと目の前に。やれやれ、はいはい。飲み干す。よく考えたら、それだったらまだ、ジュースの方が良かったな。甘いし。いつもの通学路。杉田商店の前では、いつも杉田さんに挨拶をくらうのだけど、思えば、この日は、それがなかった。なんだか嫌な予感がしたのだけど、1年365日、そんな日もあるかな?と思った。「おっはよ。」げ。気付かない振りをしようって無理か。隣に住んでいるんだから、出会わない方が変だと思う。 1時間目は、英語か…。あ、ヤバイ。宿題忘れてきたかも。今からじゃあ、写させて貰うには時間がないか。ええい、ままよ!「う、急に差し込んできた…。お腹が…。」「君達には残念だが、この学校は我々の前線基地とさせて貰う。」「なんだか、外、廊下が騒がしいな…なんかあったのか?」

承 ミッションスタート!

ガンガンガン!まるで金属と金属を激しくぶつけあったような大きな音がした。なんだ?ケンカか何か?という自分でも素っ頓狂な考えが思い浮んでくる。紙がない!なんてベタな展開が待っている訳でもなく、手早く用を済ませて、個室(大)から出る。トイレの入り口、手洗い場の影から外をうかがう…。せ、制服…。自衛隊の演習か何かだろうか…。迷彩服姿の一団が列をなして廊下を歩いている。建物の中で迷彩ってどうなん。ちょっと、こち亀的だけど。そんな風に突っ込めるのは、まだ、余裕があったのかも知れない。俺は、そっとトイレから出た。教室を覗いてみると、皆、机の下に潜り込んでいる。そんな、地震の時じゃあるまいし。朝食の牛乳が悪くなってなかったら…と思うと背筋に寒気が走る。どこで、何が繋がっているか分からないモノだ。しかし、本の数分前には、紙があるかないか、そんなことにハラハラしていたことが信じられない。俺はなるべく物音を立てないように教室を目指した。おかしい。1学年5クラスもあるのに、どうして逃げてくる生徒が一人もいないのだろう?「考えろ!考えろ!考えろ!今使わないで、この頭はいつ使うんだ!」俺は、先週読んだ『リボーン』のことを思い出していた。各個撃破…??? 「お、俺じゃない…。俺じゃない俺じゃない俺じゃない俺じゃない俺じゃない………。」「君らの中でチョロチョロと動き回っているネズミがいるらしいが、男らしく勝負をしようじゃないか。」校内放送だ。

転 屋上の決闘。

屋上への距離が、こんなにも長く感じたのは、はじめてかも知れない。いや、そもそも立ち入り禁止の屋上を目指したことが、そもそもはじめてだ。廊下に面した窓から教室の中を覗く、やはり、ガスが蔓延して起きている生徒はいない。もっとも、それは幸いと言えるのかも知れないが…。起きた時に、全部が夢と思えたら…そう思ったが、廊下には生々しい血の跡が…感傷は、ここで捨てていこう。そう思った時に、視界の下の方に見慣れたジャージが…。こ、顧問の…大杉先生…か…? 俺は、これから起きることを想定して、転がっている小銃を拾い上げた。「カチッカチッ」。弾切れか…。なんとなくトリガーを引いてみたが、もしも弾が入っていたら、どうするつもりだったのだろうか。不思議な感覚だが、そのことで、「ゲームじゃあない」ということが意識できた。俺じゃない、俺じゃない、俺じゃない…。 …仲間割れ…だと…?! 屋上に向かう階段には、テロリスト達が倒れていた。目だし帽の下の顔を見ると、彼らも生きて生活していたことが、実感できた。相手も人間だと思えば、不思議と冷静に観察できる…この人、体育は苦手だったんじゃないかな。「お前!3年生をどうしたんだ!」「その質問は正確じゃあないな。彼らは、そもそも、どうにかなっていたんだ。」

結 受験も部活も恋も両立!

この男は一体何がしたかったのだろうか?その思想の背景には、何か、ドロっと黒いモノを感じた…それが何かは分からないが…。ただ、広がって行く血だまりをみていると、この中にも、この男の無念の思いが幾ばくかは含まれているのだな、と思えた。「おっと、こちらだけ覆面、というのも失礼だったかな。」言外に「どうせ殺すからね。」と含まれているのを感じた。中学生の自分がいうのも可笑しいが、最初に見た印象は「若い」ということだった。まるで西部劇だな…。こんな時に、何を考えているのか?と思ったけど、不思議と、ワクワクしている自分にも気付いた。「大丈夫、準備はしてある…」そう自分に言い聞かせるしななかった。ぼ、防弾チョッキじゃあ、ないのか…。いや、違う、ドンドンと血が滲んでくる。もしかして、あの注射器は…。青筋が立つ、という表現があるが、こんなにもマザマザと観たのは初めてだ。「ガァン!」俺は音のした方を振り返った。そこには…。「ただの幼馴染だと思っていたアイツが…こんなにも。これが吊り橋効果ってヤツだろうか?テロリスト様々かな。」「ほぉ。今日は早いね。牛乳飲んで行くかぇ。」聞くと、杉田さんは、朝から腰が痛んで病院に行っていたそうだ。さーてと、それじゃあ、来週のデートの算段でも考えますかね。キシシシ。

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